自己分析とは

02/11/2018

みなさん、こんにちは!E活編集部です。

以前発信した「どこから、どうやって就活を始めればいいかわからない」という記事で、自己分析について軽く触れました (記事のリンク:https://www.ekatsu.com/orig-003_1.php)。今回は自己分析に特化して、その目的・仕方についてお話しさせていただければと思います。

そもそも自己分析とは何なのか。
簡単に言うと、「自分」に対する理解を構造化し、言語化する作業です。自分の性格や好き嫌いは、何となく理解しているとは思いますが、それを改めて整理して、「強み」・「弱み」・「好き」「嫌い」などいくつかのテーマにおいて自身を構造化し、言葉に表すといった、客観的な立場で相手に「自分」を伝えるための整理プロセスです。

何故自己分析が必要なのか。
自己分析は自分のことを言語化すること、と説明しましたが、言語化の大切さを、例を用いてお伝えします。

例えば、「何となく資本主義の方が共産主義より良い経済システムだ」と考えているとします。自分の中で日頃考えているだけならばこのままでも良いのですが、自分が正しいと思う経済システムを基に国を治めることになった・正しいと思う経済システムを正当化する論文を書くことになった場合では、このままでは誰も納得してくれません。周りの人に「何故そうなの?」・「本当にそうなの?」と言われた場合、何となくのままでは自分の意見が構造化言語化出来ていないので、正当化できません。それどころか、「でも共産主義は〜といったメリットがあるよ」など、相手に巧みに説明されたら、自分の当初の意見が揺らいでしまう可能性すらあります。そんな状況を回避するため、「短期的には共産主義だと〜となってしまうが、資本主義ならば〜なので冨を生み出しやすい」・「長期的には共産主義だとさらに〜となり、悪循環を生むのに対して、資本主義ならば〜となり、好循環が生まれる」といった具合に、例えば時間という軸で二つの経済システムの違いを構造化し、それを言語化することで意見を主張します。

自己分析も同じです。「何となく自分は〜という人間」・「何となく自分の強みは〜で、弱みは〜だ」と認識していても、面接など他人に説明する際にはそれを言葉にして説明し、正当化する必要があります。また、自分のことを構造的にしっかりと把握していないと、その時々の気分やノリ、人事の方の巧みな誘導についつい惑わされてしまい、納得のいく就職活動は出来ません。自分のことを言語化することは、まさに自分自身を構造的に把握し、それを武器に、正しく(自分の本当に望む)就職先を見極め、その相手に自分のことを効果的に売り込むための必要不可欠なプロセスなのです。

就職活動は自分中心に物事を捉えがちですが、最終的には「自分」という商品を人事の方にプレゼンテーションし、買ってもらう(内定を出してもらう)といった、相手目線の捉え方も忘れないようにしましょう。自己分析をすることで、自分と相手を結ぶための糸口を探るのです。

自己分析はいつ始めるべき?
自己分析は就職活動の初期段階に来るステップです。就活を意識し始めたら、なるべく早めに取り掛かりましょう。短い時間で分析を終わらせることも可能ですが、やはりある程度丁寧に分析するためにはそれなりの時間がかかります。1、2週間くらいを目安に、毎日少しずつ取り組んでみましょう。

自己分析の仕方
自己分析とその重要性についてお話しした上で、次にどのような手順を踏んでいけば良いのか、E活編集部チームの考える効果的な方法をお伝えします。インターネットや友人、就活を終えた先輩からは、異なる方法を教わっているかも知れません。自己分析の具体的な仕方に正解はないので、自分がやり易い方法・限られた時間の中でもこなせそうな手順で進めてください。手段は違えど、本質的には全て自分のことを正しく構造化言語化することが目的なので、それができていれば問題ありません。

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【時間をあまりかけられない人向け】
面接まで時間が残り僅かしかない中で、シュシュっと自己分析をしたい人もいるかと思います。ひと段落したら、改めてじっくり時間をかけて再分析することをお勧めしますが、比較的短時間で自己分析をする方法をまとめましたので、ご紹介致します。

  1. テーマを設定してみよう。
  2. 「頑張ったこと」・「楽しかったこと」・「嫌だったこと」など、まず自分の過去を振り返る上でテーマを設定しましょう。

  3. エピソードを列挙してみよう。
  4. それぞれのテーマに当てはまるエピソードを、できるだけ列挙してみましょう。その際、「中学時代」・「高校時代」・「大学時代」といった具合に、時間軸で区切ってまとめると、整理しやすいかと思います。
    <例>
    頑張ったこと 楽しかったこと 嫌だったこと
    中学時代
    サッカー部で1年間部長を務めたこと

    文化祭での催し物

    地域ボランティアへの参加


    地区大会で優勝したこと

    文化祭に向けてみんなと激しく交わした議論


    理由もなく部活を休む人とのコミュニケーション

    友達にテストのカンニングをしつこく示唆された時

    高校時代
    サッカー全国大会出場

    学級委員長を1年間務めたこと

    人生初のアルバイト


    学級委員長に選ばれた時

    学級委員長として新しく学校で「ノー制服デー」を導入できた時


    大会中に相手選手から幾度となく理不尽なプレーをされた時

    アルバイト先で同僚たちが喧嘩した時

    大学時代
    1年間の留学

    1ヶ月南米ヒッチハイキング

    友人と起業


    留学先で新しくできた外国人の友達と定期的に開いたホームパーティ

    南米旅行先で現地の人と飲んだ時

    起業の際、色々な社会人とお話しする機会があったこと


    人種的偏見により自分を判断されたこと


  5. エピソードを掘り下げてみよう。
  6. 列挙したエピソード一つ一つをより具体的に掘り下げてみましょう。数が多ければ、特に印象的なものを各テーマからいくつか選び、掘り下げましょう。掘り下げる上で特に意識すべきポイントは、「なぜ?」です。例えば、頑張ったことで「サッカー部で1年間部長を務めたこと」と書いた場合、「なぜ、部長を務めたのか?」、「なぜ部長に選ばれたのか?」、「なぜ周りから信頼されたのか?」と、どんどん掘り下げてみましょう。「これ以上掘り下げられない!」と感じた時点で、おそらくそのエピソードの背景にある、あなたの価値観・強み・弱みに辿り着くはずです。
    <例>

    エピソード:学級委員長を1年間務めたこと

    なぜ学級委員長になろうと思ったのか:友達が普段さりげなく感じた疑問や不満、アイデアなどを、自ら形のあるものにしたかった。

    なぜ自らしたかったのか:色々な利害関係者(学生、先生など)の話まとめ、みんながハッピーになる新たな仕組みを作りたかったから。

    なぜ色々な利害関係者をまとめたかったのか・なぜ新たな仕組みを作りたかったのか:いろんな価値観の人をまとめるのが好き・インパクトのあることをしたかった。

  7. 共通する価値観を発掘してみよう。
  8. 各エピソードを掘り下げたら、共通する価値観を見つけましょう。より多く出てきた価値観はあなたが特に大切にしているものである可能性が高いです。

  9. 価値観が活かせそうな働き方を想像してみよう。
  10. 最後に、今分かる範囲で、あなたの価値観・強み・弱みが活かせそうな働き方、仕事はどんなものか、考えてみましょう。
    <例>

    エピソード:学級委員長を1年間務めたこと

    なぜ学級委員長になろうと思ったのか:友達が普段さりげなく感じた疑問や不満、アイデアなどを、自ら形のあるものにしたかった。

    なぜ自らしたかったのか:色々な利害関係者(学生、先生など)の話まとめ、みんながハッピーになる新たな仕組みを作りたかったから。

    なぜ色々な利害関係者をまとめたかったのか・なぜ新たな仕組みを作りたかったのか:いろんな価値観の人をまとめるのが好き・インパクトのあることをしたかった。




    導かれる価値観・仕事観:異なる価値観を持った人を繋ぎ合わせ、新たな仕組みを作れる仕事。人と関わることが大きな意味合いを持つ仕事。

まとめると、
①テーマ設定→②エピソード列挙→③エピソードの深掘り→④価値観・仕事観の発掘

【時間に余裕のある人向け】
先ほど時間のない人向けにご紹介した方法と本質的には変わりませんが、より丁寧に自己分析をするためには、①テーマ設定と②エピソード列挙の順番を入れ替えてみるのもありかもしれません。「頑張ったことは何か」、「嫌だったことは何か」とフレームワークを設定した上で自己分析を始めた方が、確かに効率は良いですが、予め限られたテーマでしか自分を振り返らなくなるので、緻密さにはやや欠けます。抜け落としや自分の奥深くに潜む潜在的な意識にまでは気づかない可能性があります。そこで、時間に余裕のある人には、まずエピソードを書くことから始めることをお勧めします。

  1. 自分史を作ってみよう。
  2. エピソードから始めるためには、自分史を作ることをお勧めします。【時間をあまりかけられない人向け】でご紹介した、テーマで分け、チャート形式でまとめた簡単なエピソードの列挙ではなく、ここでは時間軸(中学時代・高校時代・大学時代)だけで分けて、実際に当時を振り返って文章を書いてみましょう。逐一全て振り返る必要はありませんが、印象に残っていることはなるべく全て、自伝を書くつもりで書いてみましょう。ここで大切なのは、「何をしたか」というエピソード(事実)と共に、「何を感じたか」という心情の部分も含むことです。基本的には、エピソードを経験した当時の心情を書くのですが、あとで考え方・捉え方がガラリと変わった場合など、後知恵を加えるのもアリです。

  3. 自分史をテーマ別(「楽しかったこと」・「辛かったこと」・「頑張ったこと」など)で細分化してみよう。
  4. ここでヒントとなるのは、各エピソードと供に書いたその時の心情。どういった気持ちでそのエピソードを経験したのか、細かく書いてあるはずなので、それを元に部類わけしましょう。テーマの設定にさしたるルールはありませんが、なるべくテーマごとにダブりの無いようにしましょう。

  5. 各テーマごとに、まとめられたエピソード及びそれに付随する「感じたこと」に共通すること(価値観)を抽出してみよう。
  6. テーマに別れたエピソードとその時感じたことをみながら、共通項を探してみましょう。例えば、「楽しかったこと」にグループで行動した経験が多い場合、チームプレイを大事にするというあなたの価値観を表しています。

  7. 他己分析もお願いしてみよう。
  8. 自己分析をしているのに、他己分析とは矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、実はこのステップはかなり大切だと、E活編集部は考えております。というのも、我々は自分のことをいくら客観的に且つ包括的に見つめ直しても、完全なる分析はできません。自分が見落としている自分の性質はきっとまだあります。また、自分は〜という人間だと内心思っていても、他人には違った自分が映っていることも多々あります。

    そこで、是非親や身近な友人、先生などに「自分とはどう言う人間か。強みや弱みは何か。」と聞いてみてください。また、なぜそう考えるのか、証拠となるエピソードも聞いてみましょう。自分のことをよく知っている人でなければ、あまり良いデータは得られません。聞いてみると、誰もが口揃えて挙げるポイントがあるかも知れません。これはあなたのかなり大きな性質と言えるでしょう。また、中には自分としては賛同できないポイントもあるかも知れません。それでも多くの人がそれを挙げたのならば、少なくとも周りからはそう見られていると認識してみてください。

    今まで行ってきた自己分析とは違い、他己分析では基本的に価値観→エピソードの順で指摘されると思います。思考のベクトルを逆転させることで、新たな視点に気づくチャンスにもなり得るのです。

まとめると、
①自分史作成→②テーマ別にエピソードを分類→③エピソードごとに共通する価値観の発掘→④他己分析のお願い

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最後に
いかがだったでしょうか。自己分析は、今後の就職活動をする上であなたの軸を形成するための大事なステップです。ここに時間をかけることで、ブレずに本質的な思考をベースに就職活動をすることができるかと思います。

ただ、ここでお気づきになった方もいるかと思いますが、自己分析だけでは仕事選びまでの道のりの途中までしか描けません。自分の持つ価値観をどう活かすのか、自分の強みをどう高めていくのか。その手段(働き先)を特定するためには企業・業界の情報が必要です。そのため、是非就職活動における次のステップ:「色々な業界・企業の人と会って話を聞いてみる」をしてみてください。(参照記事:どこから、どうやって就活をすればいいかわからない。)自己分析をした後で社会人の方に会うと、自分自身を構造化言語化できた状態で臨んでいるので、聞くべきポイント、考えるべきことなどが整理しやすいかと思います。社会人の方と会う度に、その方の働き先が自己分析で抽出した自分の価値観や強み・弱みとどこまで整合性があるか、まとめてみましょう。

もちろん企業・業界研究は人と会うことだけではありません。インターネット・本などを利用して、興味のある業界について調べてみることをお勧めします。客観的データや企業理念など、人と会わなくても収集できる情報は、積極的に集めましょう。その上で、会ってみて感じる肌感覚を磨いていくことで、満足のいく企業・業界研究ができるかと思います。

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みなさんにとって、この記事が少しでも参考になることを心より願っております。もちろん、就活の進め方に「正解」などないので、自分流のやり方を見つけたり、他のステップを開拓してみるなど、色々試してみてください。

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